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講座レビュー:~異世代で考える減災・防災術~第二回「みなみ防災おしゃべりサロン」(2013.10.24)を開催しました

2013年度「市民・NPOがつくる男女共同参画事業(地域出前企画)」として、NPO法人シャーロックホームズ男女共同参画センター南太田と協働して企画、実施している「異世代で考える減災・防災術」。

「地図」と「IT」という2つの情報ツールを使って、南区のシニア女性と中学生が防災・減災について取り組みます。
既に実施した第1回めの「地図」についての講座では、シニア女性と中学生が合同で地図ワークショップを行いましたが、「IT」については、シニアと中学生では活用進度が違うので、別々に講座を実施します。(講座全体の概要はこちら

 

第2回めは、シニア女性対象の情報活用講座「みなみ防災おしゃべりサロン」。

横浜市立南図書館にて2013年10月24日(木)に開催しました。(講座チラシはこちら

 

災害弱者とみられがちなシニア女性自身が「潜在力」と「地域に貢献できる力」を持っていることを知り、さらにデジタル媒体を使った情報収集や発信ができるようになることが、防災力アップの鍵と考え、以下のような二部構成で企画しました。

まず第一部「語ろう震災・語ろう備え」では、シニア女性がおしゃべりをしながら災害・防災の情報を共有し気づきあう場を、第二部「携帯電話を使ったワークショップ」では災害伝言ダイヤルの操作方法を実践する場を設けます。

今回は、事前に南区老人クラブ連合会の協力を得て「南区シニア世代のネット活用調査(報告書はこちらから)」を実施。その結果、あまり使っていないパソコンの講座より、所持率が高い携帯電話を使った防災情報の取り方を学ぶことがシニア女性には効果的であるとわかり、講座づくりに活かしました。

講師は第1部にNPO法人横浜コミュニティデザインラボ理事でNPO法人シャーロックホームズ理事でもある宮島真希子氏、第2部には防災ファシリテーターの鈴木光氏。

参加者は南区在住の地域で活躍するシニア女性24名です。

 

第1部【語ろう震災/語ろう備え】                  

講師の宮島真希子氏は「南区は90年前の関東大震災でもかなりの被害を受けているとデータからもわかっています。2年前の東日本大震災でも、怖い思いをした方もたくさんいらしたと思います。」と、関東大震災時の被害者数など具体的な数値をあげながら語りかけます。「今日は災害時の不安や普段感じていることをグループで話し合い、そこで得た情報をそれぞれの防災の蓄えにしていただければと思います。それではさっそくグループに分かれ、自己紹介のあと『わたしの311』の体験・経験談をしましょう。一人ずつ時間を区切り、時間がきたらアラームを鳴らしますので、その都度お話をいったん止めて、こちらに向き直ってください」とおしゃべりタイムをスタートさせました。

全員が発言できるよう、「時間を計って交代」という手法をとったものの、アラームが鳴ってもなかなか話が尽きない様子。やはり女性は年齢に関係なくおしゃべりが大好きな方が多いようです。

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『わたしの311』体験談の内容(一部):
「弘明寺商店街では駐輪中の自転車がドミノ倒しになって怖かった」・「桜の木にしがみついた」

怖かった体験談をうなずきあいながら共有。

中には「311では携帯電話やメールはつながりにくかったと後から聞きましたが、主人とCメール(チャットメール)で問題なくやり取りをしました」と通常メール以外を使いこなし安否確認をとった方、「阪神淡路大震災の時に連絡は遠方のほうがつながりやすかったという経験から東日本大震災ではすぐに神戸の親戚に自分の安否を連絡し、そこに都内にいる家族が安否確認できるようにしました」と過去の震災の経験を踏まえて行動をとった方、また中には「自宅が安全であることを確認後、地域のお年寄りの安否確認をして回りました」という方など、南区のシニア女性のパワーを実感させられるようなエピソードも。

 

「初めての人たちとでもすぐに打ち解けるシニア女性の力は、避難場所や被災地域のつながりづくりにとても役立つと思っています。今も初対面の方がほとんどにも関わらず、時間がきてもおしゃべりが止まりませんでしたよね」との宮島講師の言葉に笑う一同。「その力がイザという時に大事になります。この後に話し合っていただくテーマについても、皆さんが普段感じていることを気軽にどんどんおしゃべりして情報交換をしてください。」

続いて再びグループにわかれて『災害時・ここが不安』と『わたしにでもできることを考えよう』について語り合いました。
今度はそれぞれのグループ代表者からの発表です。
発表の一部紹介:
「道の幅がとにかく狭いのが避難の際に怖い」・「ペットが心配」など普段から不安に感じていることの共有。

「南区は高低差があるため、同じ区内でも平坦部と丘陵部では被害状況や日ごろの訓練、人のつながり方まで異なるということがわかった」・「自分の地域の防災訓練はマンネリ化していましたが、他地区では中学校を巻き込んだ防災訓練をしているという事例を聞くことができたので、自分の地域の人たちに伝えたい」など今後の行動につながる気づきや感想。

「簡易トイレ取扱いの資格を持っているが、実際には重労働も伴うので若い方にも協力してほしい」など次世代へのメッセージなど。

更には「私の地区では、数年前まで防災拠点だった小学校が実際に避難するのが道が狭いなど土地柄とても難しいことから、区役所に掛け合って別の学校に変えてもらいました」という方も。地域の抱える問題を自らの行動によって解決したという体験談は、参加者に驚きと刺激を与えていました。

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「今日のおしゃべりを通じて気が付いた事や気になる事をこの場限りに留めず、おせっかいかなと思ってもぜひ地域の人に、特に若い世代に伝えてくさい。皆さんの体験や知識はとても貴重です。情報の共有による日ごろのつながりは防災力の向上はもちろん、地域活性化にもつながりますので、どんどんこれからもおしゃべりパワーで地域を元気にしてください。」と宮島講師がしめくくり、第1部は終了しました。

 

 

第2部【携帯電話を使ったワークショップ】              

続く第2部の講師は鈴木光氏にバトンタッチ。
「東日本大震災では交通機関が止まり、たくさんの帰宅困難者が出ました。みなさんご自身もご家族や大切な人と安否確認が取れない不安を体験されたかもしれません。このように災害時では、家族と離れてしばらく過ごさなければいけないかもしれません。でも大事な人の無事が確認できれば、一息ついて次の行動を考えることができますよね。今日は『災害用伝言ダイヤル171』による安否確認方法を皆さんが普段使われている携帯電話を使って実体験していただきたいと思います。」と、趣旨説明をしたのち、体験ゲームに入りました。

 

通常「災害用伝言ダイヤル171」は、年末年始と毎月1日と15日以外は使えませんが、NTT東日本の協力により、この日の講座に合わせて体験できるようになっていました。今回は訓練ですので、ある指定の電話番号に録音しておいた伝言を、配布資料災害伝言ダイヤルに従って各自が自分の携帯電話を実際に操作して聞き取る体験しました。戸惑いながらも、つまずいた時にはスタッフや今回協働している『フォーラム南太田』の担当者とガールズ講座修了生たちのサポートを得ながら無事に全員が再生操作に成功しました。

kouza 23続いて、伝言の「録音」にチャレンジ。「録音のポイントですが、まずは名乗ってからメッセージを言うことです!そうしないと、イザというとき、いくつも伝言が重なったとき誰の声だかわからなくなることもあるので」とのアドバイスに、「あーそうだった!もう一回やり直しだわ」と笑いがらかけ直す人も。

無事に「録音」「再生」できた人は、自宅の電話番号への「録音」にも挑戦。「家に帰ったら、もう一度やってみよう」と嬉しそうにおっしゃる人も何名かいました。一方「再生」より「録音」のほうが少しやっかいなのか悪戦苦闘する人も。失敗しても諦めず、「せっかく教えてくれる人がいるのだから、今やらないとね」と熱心に携帯電話に向かう姿がみられました。その粘り強さは若い世代も是非見習いたいものです。最後のお1人が登録するところを見届け、『災害用伝言ダイヤル171』の体験は終わりました。

 

最後に鈴木講師より、『横浜市防災情報eメール』(横浜市総務局)の紹介がされました。

「この情報は携帯電話のメールに送られてきます。今日は時間の都合で登録する時間が取れませんが、配布資料にURLやバーコードもありますのでご自宅に帰ってから登録してみてください。もしくは講座終了後、登録を一緒にご希望の方は後ほど申し出てください。」

そう説明している合間にも、すかさず登録をされている方が何人かいたようです。
更に鈴木講師は「『横浜市防災情報Eメール』はそれぞれが必要とする情報や地区を選択できるのでとても便利です。どのような情報が送られてくるのかご覧いただきたいと思います。」と講座一週間前の台風接近時に送られてきたメール内容やその他の事例などをいくつかスクリーン上で紹介して、ワークショップを締めくくりました。

 

まとめ                             
再びここで宮島講師にマイクがわたりました。

「南区を活気づけているのはやはりなんと言っても地域で生活する時間が長く、地域をよく知るシニア女性の皆さんです。今日は携帯電話を使って情報をとる練習をしましたが、イザという時にそれが使えなくても大丈夫です。こういうものがあると知っていただけるだけでもいいのです。非常事では身近にいる若い人たちをつかまえて情報収集をしてもらいましょう。みなさんの最大の力であるおしゃべりでその情報を伝え、更に、その次の行動を指示をしてください。例えばどこの道が安全、どの備蓄倉庫に何があり、また何が必要なのかなど、地域に詳しいシニア女性の皆さんがリードしてください。男性がいるとどうしても一歩下がりがちな世代ではありますが、災害が日中に起こったら、仕事に出ている男性や若い人たちは不在です。その時は皆さんの出番です。繰り返しになりますが、みなさんが培ってきたたくさんの貴重な体験・知識を普段から伝えることは、非常時に必ず役立ちます。これからもみな様シニア女性の底力で南区を元気にしていただきたいと思います。」

シニア女性の力はすでに自身の中にあり、それを普段から異世代に伝えていくことが地域の防災・減災力につながることを伝え、講座は終了しました。

 

終わりに~石巻ママの文集の紹介~

東日本大震災の被害を乗り越え、子育て支援活動をしているNPO法人ベビースマイル石巻が、震災後1年経過したときにママたちの声をまとめた文集を出版。マスメディアの報道だけではわからない貴重な当事者の体験が描かれているのでとても読み応えがあります。
その文集「こどもたちへ~ママたちがいま伝えたいこと」の、紹介映像を流しました。

 

 

アンケートより抜粋
防災伝言ダイヤル「171」を使ってみての感想では:
ガイダンスがわかりやすいや初めて体験したが、意外に簡単に使用できたという声が多数ありました。また「171」は知っていたけれど、使ったことがなかったので、この機会にできたことをとても喜ばれている方々がアンケートからも講座の様子でも見受けられました。

 

帰ってからどのような行動をしようと思うかという問いには:

家族や仲間に、防災伝言ダイヤル「171」の方法や今日話し合ったことを共有したいという意見が多数寄せられました。

 

今日印象に残ったことでは:

自分の住んでいる地域以外の方と防災等について話しをしてみて改めて、地域の大切さや地域によって訓練方法などが異なることを実感した、話し合いを通じて得たことがたくさんあったという感想が多数ありました。

 

 

★今回の講座は、タウンニュース南区版でトップニュースとして取り上げられました!

「伝言ダイヤル操作学ぶ」タウンニュース南区版(2013年10月31日発行)

 

★今回参加いただいた南区在住の作家山崎洋子さんの記事が季刊誌「横濱」に掲載されています。

季刊誌「横濱」43号(2014年新春号) P.64~横浜の底力35「自分のまちの防災マップ、持っていますか?」

 

 

~第一回 「地図読みこなし講座」(2013.8.19)についてはこちら~

~第三回 「災害時に役立つ情報活用講座」(2013.12.21)についてはこちら~

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